2009年12月26日

精神のゆらぎ

ここ数日は調子が悪く、主に自宅で静養している。11月下旬は風邪で寝込んだ。しかし今回は心の不調である。


いろいろと過敏になっていたようで、ストレスが蓄積、冬休み開始などとともに一気に出てきたようだ。思い返してみると、ここ1ヶ月くらいはむやみにストレスを感じていた気がする。


まぁこんなことはたまにあるので、そこまで心配はしていない。そのうち治る。(ほぼ治っている)


むしろ転んでもただでは起きぬ、の精神で、といろいろと考えてみた。おそらく、合理的経済人は心が不調になったりしない。悪いことがあって少し凹んだりくらいはすると思うが、必要以上に落ち込んだり、鬱になって塞ぎこんだりはしないと思う。


人間のこういった負の感情を経済学の観点から分析することも、有益かもしれない。もちろん行動経済学はこういったトピックにも取り組んでいると思うが、ここまでは踏み込んでいないと思う。精神医学との連携も考えられる。


労働経済学の例で言うと、長時間労働は精神疾患を引き起こす可能性を高くする。その背後のメカニズムを認識することは、有益である。この問題にはいずれ取り組んでいきたい。
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2009年12月25日

啓発活動の限界

みなさんご存知のとおり行動経済学を最近よく勉強している。(さらにいえば、思考の中心になってきている)


行動経済学の重要な知見の一つとして、「情報を与える」だけでは人々の行動を変えられないかもしれない、ということがある。


人々はときに酒を飲みすぎたり、車のスピードを出しすぎたり、犯罪に手を染めてしまったりする。それが悪いことだ、と知っていてもだ。以前例示したように、喫煙のリスクは喫煙者にむしろ過大に認識されている。行動経済学会のLoewenstein教授の発表では、ファーストフード店でカロリーを明示したところ、むしろ摂取カロリーが有意に上がったという結果が示されていた。


これは、「ダメ。ゼッタイ。」など啓発活動の限界を示唆していると言えよう。いくら良くないことを良くないと言っても、たとえ本人がわかっていたとしても、悪いことを「やってしまう」ことは起こるのである。


他人の行動に対し何か解決したい問題があるときは、呼びかけるだけでなく、様々なインセンティブや禁止措置を活用して、実際の行動を制御する必要があるだろう。情報を与えるだけで十分だ、と思ってはいけない。学校でなんちゃら委員とかやれば、こういう経験、いろいろあると思う。


ちなみにこれはおそらく教育に応用できる話である。(子どもは、勉強したほうが良いだろうことは結構知っていると思われる)この点はいろいろ考えてみたい。
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2009年12月22日

今年最後の授業メモ1222

・ミクロ
SignalingとScreening。一般的な(?)書き方も、だいぶ慣れてきたように思います。TAセッションではCheap talk。これもなかなかおもしろかったです。
今日やったことをまとめると、
・Signaling:情報を持っている人が、費用をかけて、情報を伝える
・Cheap talk:情報を持っている人が、費用をかけず、情報を伝える
・Screening:情報を持っている人に、情報を引き出すような選択をさせる
といったところです。


これで今年の授業は終了。年内に復習や宿題を済ませてしまいたいです。

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2009年12月21日

授業メモ1221

・行動経済学の理論
認知的不協和について。これは、心理学ではよく知られた、対立する2つの状態があるとき、不快感を覚えることです。そしてその不快感に対して、人間は行動または、「認識」を変えます。
例えば、イソップ寓話の「酸っぱいブドウ」の話があります。手の届かない美味しいブドウを見たとき、つまり「おいしいブドウがある」「しかし食べられない」という対立する状態があり、このままでは不快です。不快にはなんとかしたいですが、手は届かないので、「おいしい」という認識を「酸っぱい」という認識に変えます。
この認知的不協和は自信過剰や主観確率など様々な行動経済学的バイアスを説明できそうですが、経済学はまだ対応していません、という話でした。その上で先生の最新の研究を聞きました。

補足21:30:伝統的経済学では「信念(belief)」をもとに行動を選択するので、最適なbeliefを選ぶ、ということはありません。


・マクロ
サーチモデルに入る。Diamond and Fudenberg(1989)をもとに行います。サーチモデルは労働経済でいろいろやっていますが、そこではやっていないベルマン方程式のごりごり計算と、位相図の分析(労経では今のとこ定常状態のみを見ている)が中心となりそうなので、より勉強になります。
posted by とも at 20:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月20日

現代マクロ経済学講義

これも少し前になってしまいましたが、ものすごくざっくりと『現代マクロ経済学講義―動学的一般均衡モデル入門』を読みました。(しかも半分くらいしか読んでない)


コアコースをとっていても、マクロ経済学の枠組みが全くと言っていいほどわからない。この本を読んで、ようやくわかってきた。第1章をもとに、ざっくりまとめてみる。


・伝統的IS-LMモデル
経験則として使いやすいが、ミクロ的基礎付けが無い
(↑ルーカス批判:経済変数の関係は、個人の行動様式の変化で変わってしまうので、見た目だけのものであり意味がない)


・RBC(基本モデル)
Real Business Cycleモデルは、ミクロ的基礎付けのあるマクロモデルでは基本的なもの。(ラムゼイモデルに労働供給を加えたもの)完全競争・完全情報が仮定されている。
→理論・実証両面に不備がある
→完全競争・完全市場の仮定を緩める必要性


・発展したモデル
完全競争・完全市場の仮定を緩めた、多くのモデルが存在する。いずれも、ミクロ経済学の理論の発展がもととなっており、ここまでくるとミクロとマクロの境界は曖昧である。

代表的な3つのモデル
・New IS-LMモデル…財市場の不完全性を導入←不完全競争モデル
・Credit Cyclesモデル…金融資本市場の不完全性を導入←情報の経済学・契約理論
・サーチモデル…労働市場の不完全性を導入←サーチ理論


こんな感じだそうです。頭の中が整理されたので、非常に良かったです。ただコースワークでは成長論や世代重複モデルを扱ったのですが、これらがどう関連するかは、よくわかりませんでした。
posted by とも at 22:37| Comment(4) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

冬休みの課題

テストもなく授業が落ち着いているし、冬休みもあるのでやりたいことがいくつか。

1つは、Baltagiの『Econometric Analysis of Panel Data』をじっくり読むこと。パネルのスタンダードな教科書です。

もう1つはアカロフ&シラーの『アニマルスピリット』を読むこと。週刊ダイヤモンドで本年のベスト経済書に選ばれた良書です。読み始めましたが、すんなりと読めそうです。

時間があったら、いくつか論文を読みたいです。
posted by とも at 18:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月19日

派遣禁止

派遣禁止がいよいよ具体化しそうですね。来年の通常国会での成立を目指すようです。最近この話題からやや遠ざかっている(マスコミも遠ざかっていると思う)ので、最近の動向はよくわかりませんし、過去いろいろ集めた情報も忘れてしまいましたが、


・登録型派遣と製造業派遣の原則禁止を予定。
・すでに製造業派遣は派遣から請負・直接雇用に移行している。
・が、結局非正規。そもそも派遣禁止→正規社員というルートはほとんどない。
・専門業種(26種)は禁止の対象外だが、それをうまく使えば派遣は使える


といった感じでしょうか。(ソースがなくてすいません)経済学界では派遣禁止反対が多いですが、僕は簡単には言いません。この話はもう少し深く考える必要がありそうな…


中途半端な記事になってしまいました。また、続報や考えることは書きます。
posted by とも at 20:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 労働問題・労働経済学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

授業メモ1218

・労働経済(サーチ理論)
Random Searchの話をいくつかしたあと、Direct Searchモデルへ。賃金が予め掲示され、その上で労働者が応募してくるようなモデルです。Game Theoryのモデルと、Competitive Searchモデルをやりました。
前者はたしかGibbonsに載っていた比較的単純なモデルで、後者は労働者と企業のあいだに競争するsub marketをモデルに組み込み、ホシオス条件(サーチモデルが社会厚生を最大化する)が常に満たされる(!)という結果が得られる、というものです。


そろそろ記憶だけでメモ書きは困難に…簡単な資料は持ち帰ろう。


午後は研究会に出席。首都大の石井先生の談合の話と、東大の柳川先生の資本市場の不完全性と国際貿易の話。前者は大変興味深かったです。後者は、難しかったです笑
posted by とも at 17:28| Comment(2) | TrackBack(0) | 経済学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月18日

行動経済学会2日目

2日目のレビューです。1日目よりメモ書きが多くざっくりです。すいません。
今さらですが、こういうことってブログに書いていいのかな…。


<研究者向け教育セッション「神経経済学」>
初めは阪大の田中先生の「神経経済学・はじめの一歩」。神経経済学の入門的内容を話していただきました。入門でした。ニューロをしっかりやるのは初めてなので、楽しめました。いくつか気になったのは…
・計算論的神経科学という分野があって、そこでは脳の数理モデルを仮定する
・経済学の問題:脳を「システム」として捉えていない、storyがない
・神経科学の課題:課題が単純すぎる
と言った点です。少なくてすいません…

次は玉川大の春野先生で「社会行動における個人差と神経機構」。こちらは主に実際の研究のお話でした。後半の囚人のジレンマの強化学習実験が面白かったですか。どんなのかと言うと…
・コンピュータ相手に囚人のジレンマを繰り返しプレーする
・コンピュータAはTit-For-Tat(しっぺ返し)、Bは70%の確率で協力行動をする
・Aには協力、Bには裏切りが最適戦略。被験者はプレーする中でコンピュータの戦略を理解できるか?
・理解できる人、Aだけできる人、できない人に分かれる。それぞれ脳(上側頭回)の活動が異なる。
学習できるかどうかが人によって異なるという、興味深い結果でした。


<パネルディスカッション「年金問題と行動経済学」>
ニッセイ基礎研究所の臼杵さん、学習院の鈴木先生、フィディリティ投信の野尻さんによるパネル。鈴木亘先生は社会保障で有名な先生ですね。内容は非常に多岐にわたったので、ざっくり箇条書きとします。
・年金未納問題:納得性も大事
・企業年金:加入が少ない→自動加入へ、過度なリスク回避、デフォルトが多いなどなど
・退職後年収:必要だと思う金額より積立が少ない、思っているより老後の生活は支出が多い
・ねんきん特別便の有用性←情報が送られてくる
こんなところでした。他にも、生活保護との関連などなど行動経済学から離れた年金問題もいくつか話しました。
最後に、鈴木先生の「行動経済学で年金問題がどれくらい解決できるか?」という質問への回答は「10-20%」。興味深い数値ですね。


今思い返すといろいろ憶えてないなぁ…と思いますが、致し方ないです。人間ですから。いろいろな分野の話を聞いて(むしろ専門に近い話を聞いていない)、刺激が多い2日間でした。M1の学生を入れていただき、ありがとうございました。

posted by とも at 00:22| Comment(0) | TrackBack(1) | 経済学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月17日

授業メモ1217、生活習慣改善運動

・エコノメ
パネルデータの基礎。Within推定とBetween推定、GLSEと、標準通りやっていきました。あと3回あるのですが、どこまでAdvancedなとこまでやるのでしょうか…


最近生活習慣の改善を心がけていて、順調に進んでいます。早寝早起き、食事にもまあまあ気をつかっています。

自分は「学生」であるという意識から「研究者」なのだ、という意識変わってきたのが原因です。よくよく考えてみると、今年の1学期はひどかったなあと思います。

心身ともに健康なことが何より大事。良い習慣まではまだもう少しかかりそうですが、しっかりとしたいと思います。(無理しない程度に、ですが。)
posted by とも at 21:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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