2010年03月17日

経済学M1の総括:コースワークミクロ編

注:3/18 1:00頃、コメントを受けて追記いたしました。

<ミクロ経済学>

テキスト
ミクロ経済学は大まかに価格理論パートとゲーム理論パートに分かれます。どちらもテキストは定番の通称マスコレル(MWG)です。

"Microeconomic Theory" Mas-Colell, Whinston and Green

(分厚い洋書の中でもとりわけ分厚く、凶器と称されることも多い。しかし、読みやすさはなかなか良いと感じています。じっくり読めばしっかり理解できると感じました。ただ、練習問題は大変です…)

また、ゲームパートのサブテキストとして通称Gibbonsが指定されることが多いです。

"Game Theory for Applied Economists" Gibbons

その他参考となる文献はいろいろあると思いますが、僕はVarianのMicroeconomic Analysis、西村ミクロ、武隈数理経済学をよく参照しました。(あとなんだかんだ武隈ミクロ、武隈演習ミクロも…)


内容(価格理論パート)
価格理論パートでは初級中級レベルと同じ話を数理的にしっかりやる、という要素が強いです。トピックとしては消費者問題、生産者理論、不確実性、一般均衡、公共財、外部性、独占といったところです。(ただし、阪大は時間の都合か公共財・外部性・独占は省かれていました)

印象的なのは選好関係に関する話をしっかりやる、というところです。先生にしては選好関係によって(効用関数を使わず)先まで進んでいく、という話も聞いたことがあります。


内容(ゲーム理論パート)
ゲーム理論の学部での進捗度は大学によってまちまちなので、1から教わることになります。
均衡概念としてはNash, Subgame Perfect, Bayesian, Perfect Bayesianが必須で、逐次均衡や完全均衡なども入ってくる、というところでしょうか。もっとやるところもあるかもしれません。Principal-Agent問題もこの流れで扱いました。


コースワークでやらないこと
時間が足りなすぎるので、どちらのパートもミクロ経済学のあくまで基礎のところしかできない、と感じています。(どの分野でも)理論をしっかりやりたい人はより深い勉強がどちらも必要だと思います。(具体的にはわかりませんが…)

また、これも大学によってはやっているかもしれませんが、契約理論・メカニズムデザインなど近年発展が見られる分野までカバーができないので、これは応用系の人であってもぜひとも学んで欲しいトピックです。(僕も早いうちに学んでおきたいなぁ…と思います。)

(補足:hit_takaさんのコメントより)一橋の場合、上級ミクロ・経済システム論T・ゲーム理論Tの3つ(計8単位)で基本的なトピックがほぼカバーされる、とのことです。


事前にやっておくと良いこと
さすがにミクロやりませんでした、という院生はいないと思うのでそこまで準備することはないのかな、と思います。先取りしたければ、MWGをいきなり読んで良いと思います。ゲーム理論をやっていない場合、何でも良いので(即Gibbonsでも構いません)事前に学んでおいた方が良いですね。

(補足:23さんのコメントより)武隈からMWGはさすがに無謀なんじゃないか、という意見をいただきました。VarianまたはAdvanced Microeconomics Theoryを挟むと良い、とのことです。Gibbonsに関するコメントも参考にしてください。


修士専修の学生がとって役立つか?
テクニカルなことしかやらない、と言っても良いくらいの授業なので、無理してとる必要はありません。計量と同じく契約理論、メカニズムデザインなど広いトピックを知っておいたほうが役立つでしょう。


posted by とも at 23:19| Comment(3) | TrackBack(0) | 大学院生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
一橋の場合、上級ミクロ・経済システム論T・ゲーム理論Tの3つ(計8単位)で基本的なトピックがほぼカバーされる。が、時間割があまり考慮されていなかったりする(苦笑)
Posted by hit_taka at 2010年03月17日 23:25
一応ミクロ理論で志望しているものから一言言わせて下さい。

マスコレルに関してはいきなり読むのもありだと思います。ただ、武隈ミクロから飛ぶのはあまりにも無謀だと(僕は)思うので、ヴァリアンかもしくは

Advanced Microeconomics Theory

http://www.amazon.co.jp/Advanced-Microeconomic-Theory-Addison-Wesley-Economics/dp/0321079167/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=english-books&qid=1268836174&sr=8-1

ヴァリアンがいきなり分からない人でもコレなら大丈夫かと。ただしこれは時間をかけて通読する感じよりはむしろサラッと読んでMWGかVarianだと思います。


ギボンズは院入学前に動的不完備情報ゲームの手前(ベイジアンナッシュ均衡まで)読めれば良いのではないかと思います。動的−についてはうちのゼミの先生も『あの章結構難しいでしょう?』という感じだったので無理ならば入学前は避けても良いかもしれません。


長文失礼しました。。。
Posted by 23 at 2010年03月17日 23:34
>hit_takaさん
補足ありがとうございます。加えときますね。

>23さん
情報ありがとうございます。僕は武隈から飛んだに等しいのでこんな記事になってますw 併記させていただきます。

動的不完備は離散型(カニ型)のシグナリングまでは読めるのではないかな、と思います。連続型は独学では解釈は難しいですよね…
Posted by とも at 2010年03月18日 00:53
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