2010年02月23日

[論文]Ishida(2006) "Optimal Promotion Policies with the Looking-Glass effect"

Ishida,J "Optimal Promotion Policies with the Looking-Glass effect" Journal of Labor Economics, 2006


"Looking-Glass effect"(鏡映的自己)とは、心理学の概念で、「他者の言動を通じて自分を理解する」ということである。人間、自分とは如何なる者か自分ではわからないことも多く、他者の目を通して理解する、というわけです。この"Looking-Glass effecgt"を昇進制度に応用してみたのが本論文になります。


playerは上司と部下で、部下を昇進させるかどうかを考えます。部下は自分の能力はわからず、上司のほうがより情報を持っています。部下は上司の指示(昇進、降格、そのまま)を通じて自分の能力を読み取り、それに応じて仕事をします。自分の能力が低い(生産性が低い)とわかると努力水準が少なくなります。


このような状況では、やる気を起こさせる(boost self-confidence)ために、昇進政策が利用されることになります。具体的には、上司がより情報を持っている場合、昇進/降格のラインが低めになります。低い能力でも昇進できる(降格しない)ことになります。何でもわかっている上司に降格を言い渡されるのはつらいので、上司もなかなか言えないのです。また、以前にどんな職だったか(能力が判別しやすいものだったか)も重要になります。上級の職は能力がはっきり分かれると考えられるので、これにより階級組織で降格が少ない理由を説明しています。


要約(意約):「次あいつ選ばなかったらやっぱ自信なくして落ち込むだろうなぁ…昇進させてやろうかなぁ…」


感想:非常に簡潔でわかりやすいモデルで、感銘を受けました。多かれ少なかれこういうことは日常あると思うので、implicationも非常に多いと思います。


posted by とも at 00:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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