2010年03月23日

定期テストで点をとるには

(1回別記事が入りましたが)今回は、コースワークから少し離れてより一般的な話をします。テーマは「定期テストで点をとるには」。散らかった文ではありますが、一経験として読んでいただければと思います。


ここで言う定期テストとは、中学高校大学での、中間テスト・期末テストのような、テスト範囲が予め「授業でやった範囲」に限定されていて、かつ「教える人」と「問題を作る人」が同一であるようなタイプの試験を指します。経済学コースワークも広く見ればこの「定期テスト」の1つでしかありません。


定期テストの結果が返ってきたとしましょう。良かったとき、皆さんは何を考えるでしょう。「俺頭いい!」と思うでしょうか。「いやいやまだまだここが…」と思うでしょうか。悪かったとき、皆さんは何を考えるでしょうか。「やっぱ俺ばかだ…」と思うでしょうか。「テストが悪いんだ!」と思うでしょうか。


私は定期テストで点をとるためで最も重要なのは、「点をとるためのプロセスを確立すること」にあると考えています。これが確立できれば、どんな科目の試験であろうと安定した点数をとることができます。なので、テスト後に反省すべきは、まず「どのプロセスが悪かったのかを点検すること」にあると思います。場当たり的に当該科目の(ましてや先生の)悪口を言ってもしょうがないのは間違いないでしょう。


受ける教科によってバラツキはありますが、テストというものは「できる人」は大抵多くの教科で点数が良く、「できない人」は多くの教科で点数が悪いものです。その根本的な要因は、「ある教科を数カ月の間勉強して、それを点数という成果にアウトプットできる能力」があるかどうかにかかっているのではないでしょうか。


このプロセスは個人個人に異なるものなので、自分らしい方法が確立でき、結果として出れば良いと思います。続きでは私なりの方法を書いていこうと思います。


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2010年03月22日

東京財団の労働政策提言の問題点

先日、東京財団から「新時代の日本的雇用政策〜世界一質の高い労働を目指して〜」と題する政策提言が発表された (pdf) 。また、同提言の要約は3/19付の日経新聞「経済教室」にも掲載された。この提言は「最近の経済学の研究成果も踏まえ」ていると言う。しかしながら、この研究成果の引用は誤っており、恣意的に結果を伝えている、と言わざるをえない。また、全体のロジックも不明瞭であり、まだ経済学からはサポートされていないことが多い。この問題について述べていこうと思う。


今回注目するのは、最低賃金の章である。。見た限り、最新の経済学の成果が反映されているのはこの章だけである。提言の内容を、経済教室(4ー5段目)より引用する。


(引用始)
 …だが最低賃金引き上げも、工夫次第で生産性向上へのインセンティブとして機能させることができる。確かに教科書的な経済理論では、最低賃金引き上げは雇用の消滅をもたらす「禁じ手」である。しかし、労働経済学の最新の実証研究は、最低賃金の上昇は必ずしも雇用を消滅させないことを示している。
 例えば青森県の最低賃金は、1994年の528円から2003年には605円に上昇した。その結果、時給605円未満の雇用は失われたが、それとほぼ同量の雇用が605円ぎりぎりの水準で増えたことがわかっている。
 最低賃金が上昇しても、それ以下の賃金の労働者が携わっていた仕事自体が消えるわけではない。その労働者を解雇する代わりに、それまでの仕事に加え、賃金上昇分の仕事もこなすよう訓練することもできる。職務という観念が薄く、労働の代替性が高い日本では、まさにこのようにして雇用が維持されてきたと考えられるのである。
 このことは、最低賃金の引き上げが、教育訓練や設備投資を促し、生産性を高めるインセンティブとして働く可能性を示唆する。…
(引用終)


ポイントは3点。

 1.教科書的な経済理論では、最低賃金引き上げは雇用の消滅をもたらす。
 2.労働経済学の最新研究は、最低賃金の上昇は必ずしも雇用を消滅させないことを示している。
 3.最低賃金の引き上げが、教育訓練や設備投資を促す可能性がある。

一点ずつコメントをしていく。


<1.教科書的な経済理論では、最低賃金引き上げは雇用の消滅をもたらす。>

これは誤解されがちなことではあるが、ミスリーディングである。完全競争市場の仮定が労働市場で成り立つならば、最低賃金が雇用の消滅をもたらす、という理論が成り立つ。しかし、完全競争市場の仮定が成り立たない場合においては必ずしもそうではない。

完全競争から外れた場合、特にこの文脈でいうと「買手独占」(労働の買手、つまり企業が少数しかいない)が発生している場合、最低賃金の上昇が雇用量を増加させる可能性がある、ということが理論的に言える。これは労働経済学の教科書(例えば Boeri and Ours)にも載っている知識である。完全競争市場だけを扱うのが「経済学の教科書」ではない。


<2.労働経済学の最新研究は、最低賃金の上昇は必ずしも雇用を消滅させないことを示している。>

引用されている「最新研究」とは、以下の論文である。

Kambayashi, Kawaguchi and Yamada "The Minimum Wage in a Deflationary Economy: The Japanese Experience, 1994−2003" pdf

重要なのは、この論文は「最低賃金の上昇は雇用の消滅させない」ということを実証しているわけではない、という点である。むしろ、abstractにも明確に「The steady increases in the effective minimum wage reduced employment among low-skilled female workers」と書いており、最低賃金の上昇が低スキル・中年女性の雇用を消滅させたことが示されている。

提言では、論文中の青森県と東京都の賃金分布の図を用い(p11)、新しい最低賃金未満の雇用が消滅したが、それと同量の雇用が新しい最低賃金付近に生まれたと主張する。確かに新最賃未満の雇用は消滅し、新最賃付近の雇用は生まれている。しかし、それが「同量である」とまで言えるかどうかはわからないし、引用論文ではこの点について増えたかどうかについては述べられていない。

引用論文では、全ての県のデータを用い、かつ他の要因も考慮した上で、低スキル・中程度の年齢の女性労働者の雇用が失われたことを示している。とにかく、「最賃の上昇は雇用を消滅させない」とは述べてはいないのである。

注1:また、確かに男性労働者など雇用量が変わっていないと考えられる層もいるが、これはこの期間における実証分析であり、今後最賃を上昇させて雇用が失われない、とまで言うことはできない。

注2:引用論文に限らず、最低賃金に関する実証論文は国内国外多数存在し、その効果について安定した結果は得られていない。(雇用を消滅させるとするものも、雇用量を変えないとするものもある。)これについては例えば http://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/09090901.pdf を参照していただきたい。


<3.最低賃金の引き上げが、教育訓練や設備投資を促す可能性がある。>

これに関しては、財団オリジナルのロジックであり、引用論文とは一切関係ない。経済学的には、ある程度のスキルがないと労働者は雇ってもらえないので、教育訓練が多くなる可能性は考えられる。(ただし、この教育訓練が提言のように企業内で行われるとは限らない)これに関してはさらなる理論的根拠と実証研究が求められるだろう。


以上のように、東京財団の提言は最新の研究を反映させた、と言うことはできないし、よって全体として実証的根拠のない主張となっている。自身の主張のために論文の誤った引用が行われていることは非常に残念である。

最低賃金引き上げは企業活動、労働者(就業者・失業者)の行動など多くの変数に影響を与える。「生産性蓄積」という一面だけをことさらにとりあげるのではなく、実証結果を正確に踏まえた幅広い議論が今後発展していくことを期待したい。


補足:
この提言に提言に対する経済学関係者の一連のtwitterでの発言を、
http://togetter.com/li/10218
にまとめた。ここで最後に述べられている大竹・橘木対談 pdf は必読である。

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2010年03月18日

経済学M1の総括:コースワークマクロ編

<マクロ経済学>

注意事項
筆者はマクロ経済のことが正直よくわかりません。間違い等あったら指摘してほしいですし、できれば他の方が詳しく書いてくれたらなぁ…と思っています。


テキスト
いろいろあるようですが、以下の3冊を挙げておきます。(阪大前期はHeijdraでした。)

"Advanced Macroeconomics" Romer
"Economic Growth" Barro and Sala-i-Martin
"Recursive Macroeconomic Theory" Ljungqvist and Sargent

日本語のサブテキストとして、二神・堀、斎藤、加藤をおすすめしておきます。

内容
コースワークのマクロの目的は以下の2つです。

1.代表的なモデルの習得
2.動学的最適化の技法の習得

1.マクロ経済で重要とされているモデルをいくつか学ぶことになります。具体的には成長論(ソロー、ラムゼイ、内生的成長)、RBC(Real Business Cycle)、New Keynesian、世代重複モデル、DSGE(Dynamic Stochastic General Equilibrium)、サーチモデルといったところです。
(厳密には重複しているかもしれませんが、ご容赦ください)

2.マクロ経済は長期の意思決定を扱うため、動学的最適化と呼ばれる手法が必要になります。(例えば、一定期間の消費水準全ての決定)動学的最適化において、主に以下の3つの手法を学ぶことになります。

i.離散的モデルにおける解法(差分方程式を用いる。私はやってません…)
ii.連続的モデルにおける解法(微分方程式を用いる。最大値原理)
iii.Dynamic Programming(動的計画法)

どれも仕組みは複雑ですが、慣れてしまえば解法は定型的に処理できます。定型的にできるようになるまで、なんどもなんども復習しましょう。


事前にやっておくと良いこと
ごめんなさいわかりません。筆者は院試でも使わなかったくらいマクロから遠い存在ですが、何とか切り抜けることができました。マクロの技法はコースワークから学ぶことも多いことが理由だと思います。予習したい場合は前述の<テキスト>の項からピックアップするのが良いのではないでしょうか。


修士専修の学生がとって役に立つか?
マクロは比較的役立つと思います。上級でないとやらないトピックもあるので、これを身につけることは有用だと思います。


断定を避ける口調が多く申し訳ありません…。とにかく、動学的最適化は繰り返せば必ず身につくので、頑張ってください!

これでコースワーク各科目編は終了になります。書きたいことがもう少しあるので、また記事にしたいと思います。

posted by とも at 20:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 大学院生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月17日

経済学M1の総括:コースワークミクロ編

注:3/18 1:00頃、コメントを受けて追記いたしました。

<ミクロ経済学>

テキスト
ミクロ経済学は大まかに価格理論パートとゲーム理論パートに分かれます。どちらもテキストは定番の通称マスコレル(MWG)です。

"Microeconomic Theory" Mas-Colell, Whinston and Green

(分厚い洋書の中でもとりわけ分厚く、凶器と称されることも多い。しかし、読みやすさはなかなか良いと感じています。じっくり読めばしっかり理解できると感じました。ただ、練習問題は大変です…)

また、ゲームパートのサブテキストとして通称Gibbonsが指定されることが多いです。

"Game Theory for Applied Economists" Gibbons

その他参考となる文献はいろいろあると思いますが、僕はVarianのMicroeconomic Analysis、西村ミクロ、武隈数理経済学をよく参照しました。(あとなんだかんだ武隈ミクロ、武隈演習ミクロも…)


内容(価格理論パート)
価格理論パートでは初級中級レベルと同じ話を数理的にしっかりやる、という要素が強いです。トピックとしては消費者問題、生産者理論、不確実性、一般均衡、公共財、外部性、独占といったところです。(ただし、阪大は時間の都合か公共財・外部性・独占は省かれていました)

印象的なのは選好関係に関する話をしっかりやる、というところです。先生にしては選好関係によって(効用関数を使わず)先まで進んでいく、という話も聞いたことがあります。


内容(ゲーム理論パート)
ゲーム理論の学部での進捗度は大学によってまちまちなので、1から教わることになります。
均衡概念としてはNash, Subgame Perfect, Bayesian, Perfect Bayesianが必須で、逐次均衡や完全均衡なども入ってくる、というところでしょうか。もっとやるところもあるかもしれません。Principal-Agent問題もこの流れで扱いました。


コースワークでやらないこと
時間が足りなすぎるので、どちらのパートもミクロ経済学のあくまで基礎のところしかできない、と感じています。(どの分野でも)理論をしっかりやりたい人はより深い勉強がどちらも必要だと思います。(具体的にはわかりませんが…)

また、これも大学によってはやっているかもしれませんが、契約理論・メカニズムデザインなど近年発展が見られる分野までカバーができないので、これは応用系の人であってもぜひとも学んで欲しいトピックです。(僕も早いうちに学んでおきたいなぁ…と思います。)

(補足:hit_takaさんのコメントより)一橋の場合、上級ミクロ・経済システム論T・ゲーム理論Tの3つ(計8単位)で基本的なトピックがほぼカバーされる、とのことです。


事前にやっておくと良いこと
さすがにミクロやりませんでした、という院生はいないと思うのでそこまで準備することはないのかな、と思います。先取りしたければ、MWGをいきなり読んで良いと思います。ゲーム理論をやっていない場合、何でも良いので(即Gibbonsでも構いません)事前に学んでおいた方が良いですね。

(補足:23さんのコメントより)武隈からMWGはさすがに無謀なんじゃないか、という意見をいただきました。VarianまたはAdvanced Microeconomics Theoryを挟むと良い、とのことです。Gibbonsに関するコメントも参考にしてください。


修士専修の学生がとって役立つか?
テクニカルなことしかやらない、と言っても良いくらいの授業なので、無理してとる必要はありません。計量と同じく契約理論、メカニズムデザインなど広いトピックを知っておいたほうが役立つでしょう。


posted by とも at 23:19| Comment(3) | TrackBack(0) | 大学院生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月15日

経済学M1の総括:コースワーク計量編

[3/15 1:00頃追記アリ:漸近論について]

<計量経済学>

テキスト
テキストは以下の5冊のうちからセレクトされることになると思います。(阪大はDavidson and Mackinnonだったようですが。)

"Econometric Analysis" Greene
"Econometrics" Hayashi
"Econometric Analysis of Cross Section and Panel Data" Wooldridge
"Econometric Analysis of Panel Data" Baltagi
"Time Series Analysis" Hamilton

GreeneとHayashiがベーシックなテキスト、WooldredgeとBaltagiがミクロ計量・パネル、Hamiltonが時系列のテキストになります。

サブテキストとして次の邦書が有用です。

"計量経済学" 浅野・中村


内容
(注:この先出てくる初級・中級・上級は私なりに定義したものです。)
計量経済学の授業の特徴は、初級→中級→上級(コースワーク)と進むにしたがって、基礎となる事項は数学的レベルを上げて繰り返し学ぶ、という点にあります。具体的には、OLS・OLSEの性質・t検定とF検定・構造変化・不均一分散と系列相関・操作変数法あたりは全てのレベルでこなすことにあります。

計量経済学において中級と上級の差は何か。これは何と言っても漸近論の存在にあります。(ちなみに、初級と中級の差は「行列表記」にあると考えています。)初級・中級の経済学では誤差項を正規分布である、と仮定して話を進めますが、これはやや強い仮定のため、[3/15 1:00頃訂正]上級レベルでは誤差項は一般的なものを想定し、中心極限定理・大数の法則を用いて漸近的な(サンプル数を多くしたときの)統計量の性質を見ていくことになります。(このとき、サンプルの生成過程に独立性などの仮定が入ります)[訂正終]

そして、このおかげで行列計算が非常に煩雑になります。これがn分の1であっちに確率収束して…こっちはるーとn分の1で分布収束して…とかたくさんやります。

こういうわけで、上級の計量経済学は行列と漸近論の計算をひたすらこなしておくことになります。頑張ってください。

トピックとしては上記の基本的な内容及びそれを深化させたものに加え、

最尤法、大標本理論に基づく検定(Wald,LM,LR検定)、モデル選択、SUR、パネル、同時方程式、非線形回帰、GMM、時系列分析の基礎、質的従属変数

などが入ってきます。

コースワークでカバーできない範囲
時間の都合上、基礎的なトピックを満遍なくやることになりますが、計量技術の発展はすさまじいので、現在実際使われている手法を追うのが難しい場合もあります。必要に応じて、上級のトピックをどんどん勉強していきましょう。ミクロ計量では主に質的データ・切断データとパネル、マクロ計量では主に時系列と動学パネルが重要になってくるかと思います(もちろん他にもあると思います)。
また、統計ソフト(Eviews, Stata, Rなど)による演習もおそらく授業では扱わないので、どこかで勉強するのが望ましいです。自分でデータを集めて実際に実証分析を行う訓練ができれば、より良いと思います。論文の元データを落として実際に回してみるのも良いでしょう。

事前にやっておくと良いこと
確率論・統計学の知識は前提とされるので、事前にできるだけしっかりと学んでおいたほうが良いです。また、行列演算をとにかく多用するので慣れておくと良いでしょう。この点、浅野・中村が役立つと思います。

修士専修の学生がとって役立つか?
行列・漸近論を多用するテクニカルな授業なので、あまり役立たないと思います。それよりも、質的データ・パネル・時系列など広いトピックを知っておいたほうがより役立つでしょう。


何か間違いや、補足する点があればコメント・tweetよろしくお願いします。m(_ _)m

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2010年03月13日

経済学M1の総括:コースワーク総論編2

昨日の補足的記事です。


コースワークは定番となる「教科書」を用いて行われます。しかし新しい理論が「教科書」に載るのには、Discussion Paper→PublishされたPaper→その分野の本→定番教科書というような流れを経ることが想定されるので、時間がかかることになります。


このようなタイムラグがあるため、現在研究では頻繁に用いられているがコースワークでは学ばない、という可能性も十分考えられます。例えば行動経済学はもっとミクロの教科書に入ってくるだろうし、実験経済学も手法の1つとしてコースワークのどこかに組み込まれることになると個人的には思っています。


ともかく、経済学の基礎的手法も日々前進していく中で、学ぶべき基礎の勉強も多くなっている、というのが現状です。1年間ではとても追える状況にないですから、コースワークでは「古典的な手法を通して数学的基礎力をつける」と割りきって日々勉強を重ね、終了後も基礎的手法の獲得を日々目指すことになるでしょう。(こう考えると、修士専修の人がコースワークを全て学ぶ意義はますます少ないのではないか、と考えています。)


明日からは各科目についての記事を書いていきます。

posted by とも at 00:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 大学院生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月12日

経済学M1の総括:コースワーク総論編1

M1の生活ももうすぐ終了です。本年度1年間勉強して学んだことを何回かに分けて記事にしていこうと思います。

経済学院生の最初の1年間はコースワークと呼ばれるコア科目(ミクロ・マクロ・計量)の勉強に多く時間が割かれることになります。まず数回はこのコースワークについて書きます。

なお、この記事は一橋・阪大で授業を受けた及び聞いた経験に基づいています。東大京大、ましてや海外とは異なる可能性があります。一橋では計量を、阪大ではミクロ・マクロのコア科目を履修しました。(注:阪大では修士コースの計量もコースワークとして認定できるので履修していません)


<コースワークの目的>

今回受けて感じたコースワークの目的をまとめると、

「研究者を目指す院生向けの、数学的基礎力(モデルを解く力)を学ぶ」
「優秀な学生を選抜するためのスクリーニング」


という2つになると思います。

名目としては前者になりますが、後者の意味も大きいのではないかと推測しています。初期段階では自分の実力を示す機会はここでしかないですから、重要視されます。(僕の印象では、成績は実力を如実に示します。ただし、あまり細かい上下は気にされないと思います。院生間では細かい差も気になってくるものですが笑)

コースワークで学べないこととしては、「近年の研究を学ぶ」「その科目の全体像を把握する」ということが挙げられます。ミクロはどうだとかマクロはどうだとかコースワークの感触だけで語ってしまいがちですが、コースワークで生じるような疑問については、おそらく既に誰かが論争し、大抵解決しています。疑問を持つのは大いに良いことですが、それにとらわれず地道に目の前の問題を解けるようになることが優先されるべきでしょう。

また、研究者志望の学生はコースワークを受けるしか選択肢が無いですが、修士専修の学生は受けるかどうか選択肢があります。コースワークは研究者志望用にセッティングされているので、現実に応用していくにはやや遠すぎるきらいがあります。中級クラスでも実務で使う分には十分ですから(コースワークは中級レベルの内容を数学的にしっかりやっているだけ、とも言えます)、無理せず中級レベルの授業のマスターに専念し、コースワークは専門に近い科目のみを履修する、というのが懸命だと思います。シグナリングとしての意味もそこまでないわけですし、(指導教員とよく相談して)戦略的に行きましょう。(修士専修の人は応用経済学を幅広く受けるのが個人的にはお薦めです。)


早くもつかれてしまったので、毎日少しずつ書いていきます。
posted by とも at 00:51| Comment(2) | TrackBack(0) | 大学院生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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